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2012年 01月 17日
たんぽぽ隊通信 第904回
先日、印刷博物館の 「世界で最も美しい本 2011」という企画展を見に行った。 デザインが美しい本のコンクールで選ばれた たくさんの本が並んでいた。 「本」はいいなあ、と思った。 読むのも、見るのも、持っているのも好きだし、 紙でも、デジタルデータでもどっちでもいい。 だけど私の好きなんか遥かに超える 「本を売るのが好き」な人々に昨年出会った。 11月のある週末に高円寺で開かれた 「縁台ふるほん市」にお店を出した時のこと。 その名前の通り、幅30cm、長さ120cmくらいの 木製縁台に古本、てづくり品、小物などを並べて 売りましょうという企画。 昨年5月に続いて2回目の参加で、友人と3人で出店した。 素人が古本を売るこういうイベントは最近なかなか人気があって ご近所の雑司ヶ谷で開催される「みちくさ市」なんて、 受付時間ぴったりにメールを送って エントリー希望しているのにぜんぜん場所がとれない盛況ぶりである。 高円寺はまだ始まったばかりだからか、土日の2日間あるからか、 今のところ場所が確保できている私たち。 あづま通りという商店街の、週末は休みのお店の前に 縁台を並べた一角を割り振ってもらった。 土曜日の11時頃、指定された場所に行ってみると、 あらあら、お隣りもそのお隣りも5月のときと同じ顔ぶれ。 「似たタイプと思われてまとめられたんでしょうか…?」と お互いに苦笑い。 隣りのMまろさんは、「取材があるのでちょっと留守にします」と言って すぐにどっかに行ってしまう30-40代の男性。 売っているのは古本のほかに、自作の豆本、自作の同人誌など。 同人誌に関心を示してくれる人をリクルートするという 裏目的もあっての出店らしい。 今回はお手伝いしてくれる若者をどこからか調達してきて、 自分はカメラを持って歩き回ってばかりでほとんどお店にはいなかった 不思議な出店者であるが、 古本市そのものが好きであちこちに出店しているらしい。 その隣りの屋号「R書店」さん(こちらも30-40代男性)は 本格派の「本を売りたい」人だった。 「今週は高円寺、来週日曜日は葉山に行くんですよ、初めて。 次の土日は国立ですね」。 出店計画……はんぱじゃない。 本業はサラリーマンで、 某県に妻子を残しての単身赴任中。 ここ数年、毎週末のように古本市に出店しているのだそうだ。 初めは自分が読んだ本を売っていたのだが、 今では月曜日から金曜日、仕事帰りに神保町の古本屋さんや あちこちのブックオフで週末に売る本を探しているという。 休みがなくていいの? 妻子に会いに行かないの? そこまでさせる古本市の魅力って何? 「基本的には自分の好きな本を売ってるんですよ。 だから買ってくれる人は自分と好みの似てる人なわけで、 何冊も買ってくれたりするとほんとうれしいっすね」。 そういうお客さんと本の話をするのが楽しいと言う。 彼は値引きしない。 自分が思った価値をその本に見い出して買ってほしいから。 いらなくなった本を処分したい私とは志が違う。 閉店時間が近づくと、持って帰りたくないからどんどん値下げする私。 来週また別の町で売ればいいからね、と泰然と構えるR書店さん。 素人古本市にはその2つのタイプがある。 買う人は、欲しい本が安くなればお買い得だし、 趣味の合うお店をみつけたら、それは別の意味でラッキー。 実際、5月の高円寺でたくさん買ってくれたお客さんが また来てくれたんですよーと、R書店さんはうれしそうだった。 家の古本を処分することが目的で出店する私だって、 自分が好きな本を買ってもらえるとうれしい。 この本を楽しんでほしいという思いを込めて売っている。 本の周りにはいろんな「本好き」がいる。 そういう人たちに出会える古本市には 単なる断捨離を超えた魅力がある。 実はマンションの住民図書館(持ち込み持ち出し自由)で 無料本を少し仕入れた私。 いらない本だけじゃなく、読んでほしい本を取り揃えて 今年の古本市で売る予定。 暖かくなるのが待ち遠しい。
by tampopotai
| 2012-01-17 12:00
| おおもりさらだ
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