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2019年 06月 18日
たんぽぽ隊通信 第1198号
お風呂場からリビングに寝る場所を移して1週間あまり。 夜は横で寝るようにして3日あまり。 ほとんど動かず、飲まず食わず、じっと横になっていた。 金曜日の朝、私が目覚めたら呼吸が止まって、体が冷たくなっていた。 最期の瞬間に、付き合ってやれなかったこと、ごめんねと思っている。 ロングブーツの空き箱に新しいタオルを敷いて横たえ 好きだったチュールと、くうの代わりの黒猫のぬいぐるみと、 最後まで頑張って飲んでいた薬と獣医さんの診察券を入れた。 真夏ではないけれど、保冷剤も。 すぐに、あらかじめネットで検索していた 動物の葬儀をしてくれる会社に電話して、いくつかの確認をして、 今夜葬儀ができるというので19時に来てもらうことにした。 「葬儀」というのは火葬炉を積んだ車で自宅に来てくれて お清めなどのセレモニーの後、納棺し、近所のどこかで焼いて戻って来て、 お骨上げをして骨壺に入れて戻してくれるというもの。 20年近く前、ぶんか(前に飼っていた猫)の葬儀は 遠くのお寺まで自分で車で運んで焼いてもらい、 後日また骨壺を取りに行くというものだった。 ずいぶん楽になったこと! こういうものが楽になるのはいいことなのかどうかはわからないけれど、 気持ちに区切りをつけるためのものと思えば、楽でもいいのだ、と思った。 来てくれたのは 「公式メモリアル・ディレクター」の資格を持つという中年の男性で、 てんのことは「亡くなられたペットちゃん」と呼んでいた。 てんの枕元に家族みんな(2人と猫1匹)が集まり、 なんとか神社でお清めした水で、末期のお水で口を湿らせ、 同じような水で濡らしたタオルで顔周辺を清めた。 そして、小さなお数珠をてんにはめ(神道なのか仏教なのかわからん)、 お別れをした。 箱のまま、てんの体をエレベーターで地下に運び マンション地下の駐車場に止めた車の後部ドアを開け、 箱から出したてんを白い布に横たえ、厳かに炉に送り込んだ。 軽油を使って900度で焼くという。炉はちょっと大きなオーブンみたいだった。 タオルや大きな花束は炎や煙が出るので一緒に入れられず 小さなブーケとぬいぐるみは許された。 うちに帰って待つこと40分。 メモリアル・ディレクター氏から電話があり、 地下駐車場にお骨上げに向かった。 てんはきれいな白い骨になっていた。 ディレクター氏はこれが喉仏です、こちらが爪です、と 父の骨を拾った時と同じように説明をしてくれた。 小さなカプセルに小さな骨を7つ入れて持ち歩き用にプレゼントしてもらった。 残りの骨をお箸で拾い、高さ15cm直径10cmくらいの白い骨壺に納めた。 白地に銀色の糸で刺繍のあるカバーに入れ、 口を縦結びにして葬儀は無事終わった。 お礼を言いながら雑談していたら、ディレクター氏、 今まで一番難しかったのは金魚を焼いた時でしたと教えてくれた。 火力に気をつけてそろそろと10分あまり焼くと、 焼き魚をきれいに食べた後のように骨が残ったとか。 小さな小さな骨壺に納めたのだろう。 今日はまだこれから2件葬儀がありますというディレクター氏を見送って、 まだ熱い骨壺を持って部屋に戻った。 一仕事無事終えたという安堵感と、 てんがいつも寝ていたところにもうてんがいないという寂しさとで 涙がころんころんとこぼれた。 葬儀費用は23,000円+消費税。 お骨はぶんかの骨壺の隣に並べた。 翌日、ふたを開けて、 乾燥剤を一袋入れるようにという ディレクター氏のアドバイスに従ってシリカゲル投入。 「カビ、生えますからね。えっ?20年前の骨壺がある? いや、それはもう開けない方がよいのでは…。」と言われてしまったので、 ぶんかの骨はカビてるかもしれないけどごめん、見ないことにする。 なんでしょうねえ。 客観的に見ると、大の大人が3人がかりで神妙に儀式しちゃって 滑稽だよなあと思う。 伊丹十三監督の映画を持ち出すまでもなく、 人間の葬儀でも、どこかに可笑しさがあるけれど、 ペットのお葬式はそれ以上かも。 こうやって、なんか可笑しいねとか思いながら、 気持ちを切り替えて、骨のてんとこれからも暮らしていくのだ。 日常は揺るがないわけじゃないけれど、 それでも続いていくところが心強いと思いながら。 てんを応援してくださった皆さん、てんに代わってお礼を言います。 皆さんに心配してもらっててんは本当に幸せな猫でした。 (トップの写真左は目を開けている最後の写真です)
by tampopotai
| 2019-06-18 10:16
| おおもりさらだ
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Comments(2)
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プリ子
at 2019-06-22 18:16
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てんちゃん、頑張りましたね。まゆぽさん、お疲れ様でした。うちの猫が、同じ頃に具合が悪くなり、同じくキジトラで、お風呂場に行くのも似ていて、ずっと気になっていました。うちの猫は5月に逝ってしまいました。当たり前だけど、似ているようでいて、逝き方は猫それぞれなんですよね。会ったこともないてんちゃんも、うちの猫も、ますます愛おしくなりました。ご報告ありがとうございました。
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tampopotai at 2019-06-23 09:52
プリ子さん、コメントありがとうございます。そうでした、キジトラちゃん、5月に旅立ったんでしたね。
やっぱりお風呂場に行ったんですか!? 不思議。獣医さんに報告に行った時にその話をしたのですが、首をひねっておられました。 てんが旅立ってすぐはなんだか気が張っていたのですが、2週間が経ち、あ、いないんだ…と実感してさびしくなることが増えています。プリ子さんもさびしい思いをされているんだろうなと思うとちょっと心強い気もします。 プリ子さんちのキジトラちゃんが天国でてんと仲良くしてくれますように。
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